深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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心の調和を目指して ~二元から一元の世界へ~

マクロの世界を扱う宇宙では、ダークマターやダークエネルギーのような見えないものが存在し、宇宙の90%を占めていると言われています。一方ミクロの世界を扱う量子力学においては、量子もつれ、量子テレポーテーションなどの摩訶不思議な現象があります。そして、素粒子には意識があるとも言われています。このことから目に見えないものが、見える世界を支えていることに気づき、目に見えないものこそが大事だとわかります。今までは、宇宙の真理を説いた密教、人間の本質を探究する哲学、時間と空間を含んだ現象界を扱う物理学、素粒子などのミクロの世界を解明する量子学などが別々に考えられていました。しかしもはやそのことに無理を生じ、これからはすべてが統合された万物に共通する一つの理論になると言われています。

私は日々の仕事を通して誰もが居心地が良いと思える空間とは、どのような空間なのかを考えるうちに、目に見えない心を扱う潜在意識の重要性に気づきました。普段意識する顕在意識の中に、人の求める本質的な居心地の良さは現れてきません。なぜなら、顕在意識とは現象界で生きる為に、人にとって本来必要でないものに覆われているからです。現象界において建築は、五感を通して変化に対する小さな気づき(潜在意識と共鳴する波動)を与えその小さな気づきから潜在意識の中にある、人の本質的な居心地の良さにアプローチしていくことが大事です。つまり、人の無意識を観察し続けることで潜在意識の中にある本質的な居心地の良さを読み取ることができます。そしてそれらを建築の中に手法として、ちりばめることが出来ます。この些細な行為、微差の積み重ねこそが、いずれ大差になると思います。このことは、住宅に限らず建築全般においても必要不可欠なことであり、心と体が不調和を起こした時でも建築の力によって精神を開放し、生命的で且つ調和的な潜在意識へと変えていくことが可能だと私は信じています。

Ⅰ、宇宙の誕生、元素

今から138億年前、宇宙誕生のきっかけとなったビッグバンは、一つの意識によって起こりました。ビッグバン直後に素粒子が生まれ、その素粒子は宇宙と同様に意識を持っています。その後宇宙は次々に元素を生み出し、その元素の中に私たちの肉体を構成している炭素も誕生しました。人間や動物、植物は燃やすと灰になることから、炭素ベースの有機物だということが分かります。つまり私たちの肉体を構成する元素は、宇宙誕生の瞬間(ビッグバン)に生まれ、それらはすべて宇宙からきているものだと理解できます。

Ⅱ、潜在意識、顕在意識

私たちの意識には潜在意識(自覚できない無意識)と顕在意識(自覚できる意識)があってその割合は90対10と言われています。私たちが日常的に自覚できるのは、顕在意識である10%の部分で、ほとんどの部分は90%の潜在意識が行っています。人間の生命活動に関わるすべてのことは、この90%の潜在意識によってなされています。例えば、私たちは心臓や腸などの臓器を意識的に動かくすことはできません。つまりこの90%の潜在意識がとても注目すべき重要な部分だと気付かされます。建築にとって最も大切にすべき「人間に共通する居心地の良さ」を知るためには、自覚できる10%の顕在意識ではなく無自覚の90%の潜在意識を観察することが大切です。なぜなら潜在意識の中には、人類が誕生したときからの膨大な記憶が入っているからです。人間に共通する普遍的な意識とは、潜在意識の中にあり、それは人の無意識の行動として表れてきます。

Ⅲ、エネルギーの共振共鳴

物理学者、アインシュタインの有名な式にE=mc²があります。この式のEはエネルギー、mは質量、cは光速を表しています。概念的に捉えると物質は、すべてエネルギーに変換できることを表しています。私たちの身の回りにある鉱物、植物や動物、すべての物質はエネルギー体だと理解できます。一見静止している物もすべてエネルギー体なので、ミクロの世界をのぞいてみると素粒子が運動しています。ミクロの世界であれ、マクロの世界であれ、すべてはトーラス状のエネルギー体がありその物質同士は目には見えませんが波のように共振共鳴を起こしています。共振共鳴を起こした結果、人の深い部分にある潜在意識に反映されていきます。宇宙や幾何学、哲学、心理学、量子力学などを知ることで自然や宇宙の法則、万物の理論、人間の起源や意識、生命エネルギーという人間の本質を知ることができます。これからは、五感までで感じられる顕在意識の領域そしてその先にある第六感、第七感と言われるエネルギーの領域それらを含めた次元を人間の本質、世界の本質と捉えることが、最も大切なことだと思っています。