2015.9.20
小さき内庭
設計では、一般的に遠くの山々や庭などの
自然を開口部から取り入れますが
室内との一体感は、それほど感じらません。
私は室内にいながら、もっと身近に自然を
感じられる空間に興味があり大切だと考え
ています。
そこで今回完成した物件は、街中の立地を
活かし今までにないスケールの可愛らしい
小さき内庭をリビング・ダイニングの間に
設けました。
そして、一体感をより強く感じてもらう為に
開口部の高さや幅、床や壁の肌さわりや質感
照明の高さや明るさなどこだわりました。
ダイニングの椅子に座ってしばらくすると
内庭から風が入りダイニングとリビングを
通りぬけ木々を揺らし匂いを運び込んきま
した。まるで、テラス席でお茶をしている
かのような感覚になりました。
また、ダイニングとリビングの距離感は、
会話をするのにもとてもよい距離でした。
内庭を通しての会話は、家族の仲をより
深めてくれることでしょう。
自然に包まれる感覚をもたらす住まい。
住まう人の感じる力が高まり
感性豊かに過ごすことで人生の幸福度
満足度が高まっていくことを願っています。
私の目指す設計コンセプトに少しだけ
近づけた気がします。