2016.4.17
窓
窓について考える時、以前に行った八雲茶
寮の組み子の窓をいつも思い出します。
窓の組み子を通して見た外の景色が印象的
でとても美しく感じたからです。
最近の住宅は、窓の組み子をなくし窓枠を
細くし、ガラスだけが存在するような窓を
沢山見かけます。
室内から見える外の景色は何も境目がなく
クリアに見えますが、それでは自然との一
体感は得られません。
なぜなら、そこには窓を開け放つという行
為を伴わないからです。
住宅には安心感や内包感が成り立つ上での
開放感があることが大切だと考えています。
窓を閉めている時は、窓枠が室内の雰囲気
と馴染み外部から守られているような安心
感と内包感を感じさせるディテールが良い
と思います。
人は、その感覚が満たされることで初めて
次に開放感を求め、窓を開け放つという行
為つまり自然と繋がりたいという行為に及
びます。
開け放った瞬間に外からやってくる光や風
匂い、湿度、鳥のさえずりなど心地よさを
知っているからなのです。
自然との繋がりを求め、組み子をなくし窓
枠を細くしガラスだけが存在するような窓
を使うようになってきましたが、その存在
感をなくし、透明に近づけば近づくほど求
めたほどの自然との繋がりや一体感は得ら
れていないのではないかと考えています。