深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2023.10.22

ダイニングの照明計画

夕暮れ時、陽が沈むのと同じように私たちの体も覚醒から睡眠へと移行していきます。空間の印象が昼間とは全く異る表情を見せてくれる夜の照明計画は、ただ明るくするのではなく、人の体内リズムに合わせたものになるよう心がけています。

灯りは粒子なのでなるべく直線的な影を出さず、粒子としてその存在感を感じるようにしています。灯りは量や質にこだわって配置し空間によっても照明器具の使い分けをしています。
ダイニングテーブルの上に設置する照明器具であれば、空間に影響しないシンプルなペンダントライトが良いと考えています。人は光の方に注目し、集まるという習性があるので、ダイニングテーブルを中心とした暖かみのある灯りを配置することで自然と家族が集まってきます。そして楽しい食事の時間が始まります。

ペンダントライトで足りない光量を補うために、壁際には光源の見えない間接照明を配置します。その壁の質感が重要で、凹凸のある素材が優しい陰影をつくり、また天井も同じ素材で仕上げることで、空間全体がほのかな光の空間に変わります。照明の灯りに包まれるような感覚が心を穏やかにし、スムーズな睡眠へと移行します。