深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2023.12.22

すだれ

すだれは日除けとして、日差しを柔らげ、爽やかな風を取り込むスクリーンとしての役割があります。また昔の日本家屋においてカーテンがない時代、プライバシーを守るために使用されていました。すだれの素材は、天然竹・木を用いており、最近では和紙を編み込んだ素材もあります。いずれも程よい透け感があり、室内から外はよく見えますが、外から室内はほとんど見えません。目隠し効果がとても高いのです。すだれの開閉方法は、カーテンなどの左右方向ではなく上下に開閉するので、日中の光の高さにあわせて調節ができます。すだれ特有の透け感としなやかさが光を優しい粒子に変え、室内に様々なすだれ越しの景色を映し出します。

そこにあるのは安心感と開放感の両方で満たされた、落ち着きや安らぎの空間です。中世の時代、すだれは結界の役割を持つ御翠簾(おみす)にも使われていたこともあり、神聖な空間をつくる役割がありました。「すだれ越しの景色」が私達の心に響くのは、そこに何かしらの神聖さを感じ、本質の自分と繋がるようなヒーリング効果があるのではないかと思います。