2025.4.6
TAMAGO展
今回、TAMAGO展にて沢山の学生さんの作品に向き合う機会をいただき、とても楽しい時間を過ごすことができました。
その中の一つに「福井の文化の国際化に向けた現代美術館」は、入賞というかたちにはならなかったものの、個人的に建築が持つ大きな役割を感じさせてくれる提案でした。
この提案には、廃材を「カケラ」として扱い、それが「メブキ」となって再び命を持つというコンセプトでした。
廃棄物を用いて作品を制作している福井県出身の長坂さんを選んだこと。
倉庫をリノベーションして新しい美術館をつくる案としたこと。
美術館を訪れる人が、ただ作品を眺めるだけでなく、自らの手で廃材に触れ、何かをつくる体験を通じて「地球が今どのような状態にあるか」に気づかされてくれると感じました。また、アートをつくり終えた後に訪れるかもしれない焦燥感も想像させてくれました。
ガーナに限らず、バングラデシュ、パーム油によるプランテーション、そしてそれに伴う森林伐採によって動物たちの住処が奪われていく問題など、そうした問題の数々が、建築というフィルターを通して少しは改善されるかもしれないと予感させてくれるものでした。
建築が終わる場所に、再び始まりを見出すような、どこかウロボロス的な意味合いを感じました。
