深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2024.3.22

人の習性と光

住宅において大切に考えているのは、潜在的な居心地の良さです。それは人種、性別など私達の多様性を超えたところにある人類共通の居心地のよさと言い換えてもいいかもしれません。その為には人間の本質的な部分を観察し、それを様々な建築のエッセンスとして空間に散りばめることが大切だと思います。私達人間の無意識下にある習性というのは色々ありますが、その中の一つとして光の方向を見てしまうというものがあります。

建築にトップライトを設ける場合は、光を取り入れる為にというのが多いと思います。ですが私は上からの光によって、自然と目線が上に向き、見上げるいう行為を引出すことにあると考えています。この上を向くという行為が、潜在的な居心地の良さに繋がります。これはヨガの戦士のポーズと同じで、顔を上にあげることで前向きな気持ちをつくり出し、そして朝に行うと良いとされています。朝の気分がその日1日の気分を決定するからです。私達は毎日パソコンやスマホを見る為、下を向くことが多いと思います。だからこそ住宅の中にこのような振る舞いをつくり出すことが大切なのではないかと思います。