深山知子一級建築士事務所・レトノ 深山知子一級建築士事務所・レトノ

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2025.9.9

S・ショールーム

石川県の建設会社さんからの依頼で、自社ビルの一部を改装し、ショールームを設計しました。 既存の天井高や開口の位置が決まっている中で、光の入り方と素材感を丁寧に調整し、静かな時間が流れる空間を目指しました。 窓には障子を設え、上部には抜け感をもたせるためにガラスを組み込みました。天井がひとつながりに見えることで、内部の奥にまでやわらかな光が降り注ぎます。 天井には加工を施していない竹をそのまま用い、素材が持つ素直な力強さを感じられるようにしました。 ダイニングには木のテーブルと椅子を配し、空間全体が余白をまとったような落ち着きを感じます。リビングの造作ソファは壁に馴染むように設計し、余計な存在感を示さず、静かな暮らしを想像させてくれます。

和室は、外部からの光を障子越しに受け止め、陰影をやわらかく変化させる空間です。 天井には木の小屋組をそのまま見せ、自然な表情を大切にしました。畳に座ると、光と影が一層身近に感じられます。ここでは装飾は必要なく、素材と光のみで心の調和がもたらされます。